相談があった経緯
ある病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)からご相談を受けました。内容は、入院中の患者さんが自宅の家賃を数か月以上も滞納しているというものです。
お話を伺うと、その方は数か月前に救急搬送されて以来ずっと入院していますが、病院では、患者さんの金銭管理や財産管理をお引き受けすることは原則としてできません。またこの方には、ご連絡が取れるご家族はいない様子です。
近年は単身で身寄りのない方が増えています。救急搬送だったため、通常の入院手続きで求められる「身元保証人」や「身元引受人」を確認する余裕もなかったようです。
入院中の金銭管理と家賃滞納リスク
ご本人と面会したところ、認知症の症状は見られませんでした。しかし、急な体調不良や入院によって生活が乱れ、「お金が口座にあっても家賃を支払いに行くことができなくなっていた」ことが判明しました。現在は入院費用の支払いも未納のままです。
入院中は基本的に外出が制限されるため、ご自身で銀行窓口へ行って支払うことは困難です。しかし、ご本人にとっての「入院中で動けない」という事情は、大家さん側にとっての免責理由にはなりません。「支払いが難しいなら代理人に頼むべきだ」とみなされてしまいます。
このまま放置すれば、家賃滞納を理由に自宅を追い出され、病気が治っても帰る場所がなくなってしまいます。
期間限定の身元保証と弁済代行で解決
病院からのご紹介を受けてご本人と面会し、まずは「入院期間中のみ」の期間限定で、当事務所が「身元保証人」および「緊急連絡先」をお引き受けすることにしました。同時に、入院期間中の「金銭管理」も受任し、大家さんや病院への支払いを代行する体制を整えました。
この支援は、原則として退院時に終了することを前提としています。ただし、退院後も継続的なサポートが必要な場合は、正式な「財産管理契約」などへ移行する様にお願いしています。
今回の場合は、ご依頼を受けてすぐに大家さんへ連絡し、ご本人さんの現状を丁寧に説明しました。滞納していた家賃については当事務所が責任を持って弁済代理を行うことを約束し、トラブルを回避することができました。
サポートの限界と本格的な法的支援への移行
入院期間中だけの身元保証や金銭管理は、あくまで暫定的な措置です。例えば「退院の見込みが立たない」など、サポートが長期化することは避ける必要があります。
原則として数か月を超える長期の対応は行わず、依頼の段階で終わりが見通せないケースについては、最初から正式な法定後見制度の利用をご提案しています。
入院中の身元保証、金銭管理でお困りの方へ
病院の入院手続きや生活費の支払いで「身元保証人や緊急連絡先がいない」とお困りの場合は、まずは病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)にご相談されることをおすすめします。ほとんどの病院には医療ソーシャルワーカー(MSW)が在籍しているはずです。経験豊富なソーシャルワーカーであれば、私たち司法書士のような専門家へのパイプを持っています。
大阪市内の方でしたら当事務所でのご相談も可能ですのでお気軽にご相談ください。

