私の事務所では、「終活」に関するご相談やサポートに力を入れています。
先日ご相談いただいた「自分の死後の納骨」に関するエピソードと、それを解決する「死後事務委任契約」について。
「自分が買ったお墓に、誰が納骨してくれるのだろう?」
ある日、長年お付き合いのあるご相談者様から、折り入って話があるとご相談を受けました。
「自分が亡くなった後の手続きや納骨を、あんたに頼めないか?」
ご相談者様には結婚歴がなく、お子様もいらっしゃいません。ご兄弟は居られるものの高齢で、ご自身の死後のことまで頼むのは難しい状況でした。
実は数年前にご自身でお墓を購入されていたのですが、「自分が亡くなった後、誰がそのお墓に納骨してくれるのだろうか…」と、ずっと心の中で不安を抱えていらっしゃったのです。
「見ず知らずの人に簡単に頼めることではない。だからこそ、腹を割って付き合ってきたあなたに頼みたい」とおっしゃってくださいました。
葬儀社や知人には頼みにくい「喪主」の役割
このご相談者様は、すでに遺言書を作成されていました。しかし、遺言書を作った当時はまだお元気だったこともあり、「自分が亡くなった直後の具体的な手続き」まではイメージが湧いていなかったのかもしれません。
人には「機が熟す」タイミングがあるのでしょう。ご相談者にとっては、今が自分の葬送のことを考えるタイミングだったのだと思います。
いくら生前に葬儀の予約やお墓の準備をしていても、実際に死亡を周知し葬儀を手配、納骨手続きを行ってくれる「人(喪主の代わりとなる実施者)」がいなければ、計画を実行することはできません。
- 「葬儀社に喪主や納骨までお願いできないか」と検討される方もおられますが、一般的にそこまでの対応を引き受けるのは色々問題もあるようです。
- かといって、近所の人や知人に頼むのは気が引けますし、頼まれた側も責任が重く、遠慮してしまうのが現実です。
ご希望に寄り添い「死後事務委任契約」をお引き受け
当事務所では、ご相談者様のご希望(希望する宗派・納骨・供養の方法など)を丁寧にお聞きした上で、お手伝いが可能であればご依頼をお受けしています。
※宗教観は人それぞれですので尊重いたしますが、たとえば仏教以外など私の見識では不明な宗式であったり、納骨場所が関西から遠く離れた場所であったりする場合は、状況によって個別にご相談させていただくことがございます。
今回のご相談者様とは以前から面識があり、会話の中で宗教観やご希望も伺っていたため、快くお引き受けすることになりました。
このように、亡くなった後の葬儀や納骨、各種手続きを専門家などに依頼する契約を「死後事務委任契約」といいます。
死後事務委任契約を作成するときのポイント
死後事務委任契約を結ぶ際は、原則として「公正証書」で作成することをお勧めしています。
契約書の中には、
- 読経を依頼する寺院
- 永代供養の手配内容
- 納骨先やお墓の情報
- 家財道具の処分
- 老人ホームなどの契約解除のこと
- 各種費用の支払いのこと
などをあらかじめ細かく定めておくことができます。
司法書士からのアドバイス:少しだけ「ゆとり」を持たせること
契約内容は詳しく定めておくのが基本ですが、あまりに細部までこだわりすぎると、将来の事情変更に対応できなくなるリスクがあります。
以前の経験で、読経を依頼する寺院名をピンポイントで指定していたところ、いざという時にご住職が先に亡くなられており、不在になって対応に困ってしまったケースがありました。
将来何が起こるかは誰にも分かりません。だからこそ、契約内容には万が一の際にも柔軟に対応できる「少しの遊び(ゆとり)」を持たせておくことが、円滑な実施のための大切なポイント(匙加減)となります。
おひとりさまの終活・死後手続きのご相談は法律の専門家へ
「お墓はあるけれど納骨してくれる人がいない」 「頼れる親族がいないので、自分の死後の手続きが心配」
このようなお悩みをお持ちの方は、決して珍しくありません。お一人で抱え込まず、一度お気軽にご相談ください。
あなたの生き方や宗教観を良くお聞きして最適な葬送支援をサポートいたします。
また、死後の手続きは契約の解除や債務の支払いなど法律事務を伴います。
法律事務の専門家である弁護士や司法書士がお勧めだと思います。

