「自分が住んでいる自宅を、存命のうちに長男へ譲りたい」
このような生前贈与に関するご相談がときどき寄せられます。
司法書士の立場から見れば、贈与契約書を作成し、法務局で所有権移転登記を行えば手続き自体は完了します。しかし、不動産の贈与を進める上で絶対に無視してはならないのが「税金(贈与税・不動産取得税)」の問題です。
当事務所では、ただ言われた通りの手続きを進めるのではなく、ご相談者が思いがけない税金で後悔しないよう、税理士との連携を常に念頭にしています。
生前贈与で陥りがちな「贈与税」の盲点
生前贈与の手続きにおいて、司法書士の専門領域は「不動産登記」であり、税務の具体的な相談や申告業務は「税理士」の領域です。
しかし、税理士とのお付き合いがない一般の方がほとんどであり、**「贈与の手続きが終わった後に初めて税務署や税理士から結構高額な贈与税を知らされる」**というリスクが日常的に潜んでいます。
- 「贈与税(参考:国税庁ホームページ)」: 基礎控除(年110万円)を超える価値のある資産(現金、不動産など)を贈与すると発生
- 「不動産取得税(参考:大阪府ホームページ)」: 相続とは異なり、贈与による取得には都道府県から課税される
「税金の申告が必要になることは知っているが、具体的な税額までは把握していない」というケースが大多数です。そのため当事務所では、手続きに入る前に必ず「税金のリスクについてご認識されていますか?」とお尋ねするようにしています。
事前の概算把握と税理士連携の重要性
最近では、生成AIなどを活用して初歩的な税額の概算(目安)を自身で調べることも容易になりました。AIによる計算結果を100%鵜呑みにすることは危険ですが、「これを実行するとどれくらいの税金がかかるのか」という現実的なスケール感を知る一手としては有効です。
先日のご相談でも、まずは初歩的な概算シミュレーションを一緒に行ってみました。すると、やはり相応の贈与税が発生することが見込まれ、ご相談者も少し躊躇される様子が見受けられました。
そこで私からは、次のようにアドバイスをさせていただきました。
「本日は一旦持ち帰っていただき、冷静に生前贈与を進めるかどうかを再検討してみてください。もし専門家による節税控除(相続時精算課税制度など)の検討や税理士の紹介が必要であれば、いつでもご紹介いたします。」
無理にその場で手続きを進めるのではなく、まずは一度立ち止まって考えていただくことが、結果としてご相談者様のトラブルを防ぐことにつながります。
当事務所のご相談方針・姿勢について
当事務所では、ご相談をお受けした場合、基本的に以下のスタンスで取り組んでいます。
1. 相談後に追客・営業連絡は一切していません
ご相談が終わった後、当事務所から「前回の件、どうされますか?」といった依頼を促すような営業連絡を行うことは一切ありません。事案を進めるかどうかは、ご相談者様ご自身の判断にお任せしています。
2. 受任を前提としない「セカンドオピニオン」もお受けします
「他で相談したが、念のため別の専門家の意見も聞きたい」「自分で進めるか迷っている」というご相談も承っております。
3. 明朗な相談料を頂戴します
当事務所では無料相談を行っておりません。相応のご相談料をいただくことで、受任の有無にかかわらず、第三者的な立場で本質的なアドバイスに全力を尽くしています。
まとめ:不動産贈与のご相談の流れ
今回のご相談のように、税金リスクが懸念されるケースで手続きを進める場合は、税理士との連携を加味したお見積書の作成からスタートいたします。
不動産の生前贈与でお悩みの方は、登記手続きだけでなく、税金面も含めてトータルで安心できる形が良いのではないでしょうか。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 司法書士に相談すれば、贈与税の節税アドバイスもしてもらえますか?
A. 司法書士は税務の専門家ではないため、法的な税務相談や節税のアドバイスを行うことはできません。ただし、税金のリスクを事前にお伝えし、必要に応じて提携する税理士をご紹介することが可能です。
Q. 無料相談を行っている司法書士事務所との違いは何ですか?
A. 相談料のみをいただくことで、業務の受任を前提としない中立・公正なアドバイスをご提供しています。受任を前提としませんので、後日当事務所からご連絡をすることはありません。

