成年後見人をお引き受けしていると、いつか必ず「ご本人のご逝去」という日に立ち会うことになります。 ご家族がいらっしゃる場合は、ご家族が中心となって葬儀などを進められますので、後見人が直接関わる機会はほとんどありません。
しかし、ご身寄りがおない方の場合は事情が少し異なります。
訃報の連絡から始まる、予期せぬタイミングの対応
お亡くなりになると、病院や施設から一番に私たちへ連絡が入ります。 法律上、成年後見人の仕事はご本人のご逝去とともに終了するため、「ご遺体の引き取りや葬儀の手配は後見人の義務ではない」と言う意見も誤りではないでしょう。
それでも現実には、周囲の方は後見人が主体的に動いてくれることを期待していますし、何より私自身も、その連絡をそのままにしておくことはできません。
人にはそれぞれの寿命があり、亡くなる日を自分で選ぶことはできません。夜間、土日祝日、あるいは年末年始やお盆の時期に連絡が入ることも当然のようにあります。どの様な対応をするのかは各後見人の自由です。正解も不正解もありません。 どの様な対応をするのか?「自分なりに腹をくくっておくこと」、これがこの仕事を続ける上での一つの前提だと感じています。
「自分の生活」と「責任感」の間で
私たち司法書士も一人の人間にすぎず、それぞれの家庭や生活があります。すべてを犠牲にして対応することが正解とは言えませんし、無理を重ねれば自分が倒れてしまいます。
一方で、「お亡くなりになった後のことは一切関わらない」と割り切ってしまうのも、個人的にはどこか違和感を覚えます。
私の事務所では、ご逝去の連絡を受けた際は、信頼できる葬儀会社様にすぐにご連絡し、ご遺体のお引き取りから火葬までのお手伝いをすることが多いです。こうした場面では、日頃から連携してくださる葬儀会社様の存在が本当にありがたい支えとなっています。
年末年始や休暇中の現場から
実は、ちょうど今のように事務所が夏季の休暇中であっても、ご逝去の連絡を受けて司法書士が動くことがあります。
以前、12月30日にご逝去され、1月2日に火葬を実施し、1月3日に納骨を行ったことがありました。役所も裁判所も閉まっている時期だったため手続きには苦労しましたが、「火葬場は元日以外は開いている」ということをその時の葬儀会社様に教えていただき、「本当に納骨までできるのか?」と思いながらも、葬儀会社さんと負担を分担しあって無事に送り出すことができました。
こうした労働時間外の変則的な動きは、事務所のスタッフにお願いできるものではありません。だからこそ、個人事業主である司法書士自身が責任を持って対応するしかないのだろうと思っています。
いろいろ負担に感じることもあります。最終的には「この仕事が好き」であれば何とか務まり、そうで無ければ難しいと思います。
私の場合、一人ひとりの依頼者に向き合い、一件記録に向き合う。それが好きと言うか、それしか自分に出来ることもないことが分かってきましたので、自分の好きな事、できる事を伸ばしてゆくしかないと思っています。

