古い空家を所有しておられるお客様からご相談を受け、本日、無事に売買を済ませることができました。
以前から売却を考えておられたものの、ほとんど手入れがされておらず、経年劣化もひどかったため、そのままでは買い手がつかずに悩んでおられました。数年前に一度は不動産会社への売却を試みたものの、「取り扱いができない」と断られてしまい、そのまま放置されていた物件です。
元々は、当事務所で手続きをお手伝いした「相続」によって取得された不動産でした。
現在の所有者様は、一度もその家に住んだことがなく、ご近所に住んでいるわけでもありません。「できれば」ではなく「是非とも売却して処分してしまいたい」というのが本音だったとのこと。
■ ご近所との縁がつながった個人間売買
改めてご相談を受け、何とか解決できないかと考えたところ、「近所の方が荷物と自転車の置き場として利用したいと申し出ている」というお話を伺い、そこから一気に売却へと話が進むことになりました。
金額としてはそれなりに安価な処分となりましたが、金額についてはご理解されたうえで、無事に手放すことができ、長年の空家管理の義務と不安から解放された依頼者様は、ずいぶんと安心された様子でホッとされていました。
なお、今回の不動産売買には仲介会社は入っていません。司法書士が売主様と買主様の間に立ち、両者の顔をきちんと見ました。その上で、公平中立な立場で売買契約書の作成から代金の支払い、所有権移転登記の申請までを一貫してサポートしました。
■ 広告よりも「公平性と安心感」が成約の鍵になるケースもある
もちろん、少しでも条件が良い購入者を探したい場合は、不動産会社さんにお願いして、広く広告を出すのが絶対に良い選択です。
しかし今回のように、ご近所内でお声がけをして購入者を募るようなケースでは、情報の拡散量よりも、「公平性や安心感の総量」が売買を成功させる大きな秘訣になったと思います。
■ 報酬についての当事務所の考え方
このような場面において、司法書士は「公平中立な立場で利害を調整する」ことで専門性を発揮します。
当事務所では、このようなご依頼を受けた場合、売主様と買主様の双方から「同額」の報酬をいただく形で進めさせていただいております。もちろん、ご依頼者様に事前にしっかりご説明し、ご納得いただいた上で受任しています。
その理由は、「公平中立な業務に対する対価は、その業務によって利益を受ける売主・買主が対等に負担すべきである」と考えているからです。
もし、例えば「売主からは10万円、買主からは5万円」と報酬額に差をつけてしまうと、「報酬を多く払っている方に有利な調整をしてしまうのではないか」という懸念が生じる余地を与えてしまいます。双方から同額をいただくことで、そうした偏りは完全になくなり、真に中立な立場を維持できると考えています。
報酬の請求方法については、司法書士や事務所ごとに考え方や方針の違いがありますので、一概に正解・不正解を申し上げるつもりはありません。ただ、依頼される際は事前にその方針を確認しておかれるのが安心かと思います。
結果として、今回は不動産会社の仲介手数料がかからなかったこともあり、全体的な費用を抑えてスムーズにお納めすることができました。空家の処分や管理にお困りの方は、ご近所などを念頭に個人間で売買することも検討してはどうでしょうか。

